それでも、やっぱり君が好き。
 

 ミナは「んーっ」と宙を眺めながら人差し指を顎(アゴ)に当てた。


           
「うち、凛ちゃんとおな中だったんだけど……そこまで仲良くなかったかなぁ。たまに喋るくらいで」


「…………は?」



 一瞬固まったオレに、ミナははにかみながら慌ててぶんぶんと両手を振った。



「で、でもっ、圭太君のお願いだから頑張るし! 友達に聞いたりとかしてみるから何でも聞いて!」



 オレは立ち上がって振られていたミナの両手をぎゅった握る。



「サンキュー、ミナ! 頼りにしてるぜ!」



 いきなり手を握られてびっくりしたのか何なのか、ミナの顔がぼぅっと赤くなった。



 しばらくたって、ほんのりまだ紅みが残った顔で、ミナは悲しげに微笑む。




「ん。……楽しみにしててよ」



< 15 / 105 >

この作品をシェア

pagetop