それでも、やっぱり君が好き。
「凛が男子嫌いって本当か?」
「……ぁ」
その途端に急にミナが視線を逸らし、黙る。
……え、聞いちゃいけないことだったのか……!?
黙るミナと汗をだらだらと垂らすオレを見て、勇輝が慌ててミナに問いかけた。
「……ど、どうした?」
ミナは近づいた勇輝の胸を手で押し、また、悲しげに、儚げに微笑んだ。
「大丈夫」
――――――刹那(セツナ)。
勇輝が息を呑(ノ)んだのが分かった。
何かを察したような様子で、切なそうな表情でオレを見つめる。
え? 何? どうなってんの?
全く話についてけねー……。
ミナは振り絞るような掠れた声で、オレを見ずに問の答えを告げた。
「本当、だよ。凛ちゃんは男子恐怖症」
神様。
漫画のように次々と壁が出てくる恋愛がしたい、って確かに言いました。
けど、こんな巨大な壁。
あまりにも高すぎないか!?