それでも、やっぱり君が好き。
「えーっと……確か涼峰凛(スズミネリン)、だ」


     
 焼けた顔男が携帯を弄っていた手を止め、パタンと閉じる。



「凛……」



 「でも、」と言って、銀色のピアスの男は眉をひそめた。



「そいつはワケありらしいぜ」


「……何だ?」


「凛は、」



 まるでお楽しみをとっておくかのように、いいところで言葉を切る。



 すぐに開かれた口から、彼女の“ワケ”が告られた。







「極度の男子嫌いらしい――――――――」





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