それでも、やっぱり君が好き。
実行
タンタンタン
この空間だけ切り離されたように、屋上へと続く階段は静かでオレの上履きの音だけが響く。
真新しさの残らない扉をゆっくり開くと、オレは午前中の太陽の光に包まれた。
咄嗟に右手を額に当て、目を細める。
「まっぶし……けど、あったけー」
階段が薄暗かったせいで、こんなに眩しかったっけというくらい太陽の光が眩しい。
授業の合間にある短い休み時間だったためか、屋上にはオレ以外誰もいなかった。
「ふぅ……」
ドアから真っ直ぐ後ろに下がった位置で一息つき、柵に寄りかかったとき。
バン! と乱暴にドアを開ける音が聞こえ、反射的に扉を見る。