それでも、やっぱり君が好き。
Mission 1 相手のことを知ろう

「オレ、一目惚れしちゃったかも」

 人と喋り声でいっぱいの広い廊下を弾んだ足取りで歩く。


 昼休みという時間のおかげで、人がたくさんいて歩きづらい。



 時折、どんな人がいるのかとキョロキョロとあちらこちらを見渡す。



 男のわりには柔らかい茶色の髪、整った顔、すらりと高い身長。それがオレの第一印象だと言われた。


 そんなオレは今、男女構わず色々な人に声をかけ自己紹介をしている。


          
「オレ、朝倉圭太(アサクラケイタ)! よろしくなー!」 



 妙なハイテンションでそう言って手を振り、次の人を求めて去っていく。


 当然、声をかけられた人達はみんな呆然としていたり、戸惑っていたりした。



 オレは口角を上げ、より弾んだ足取りで歩き出す。もうスキップに近いかもしれない。

 

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