それでも、やっぱり君が好き。
 

 めっちゃ怯えられてる……!!


 話してるだけなのに。……泣きたくなってきた。



 でも、オレはめげずに笑顔を作りながら続ける。



「オレは、B組の朝倉圭太。よろしくな!」



 彼女は小さく頷いただけだった。


 どうやらオレとよろしくする気は無いらしい。……号泣したくなってきた。



 てか、そろそろこれ言っていい?



「……お前らさ、遠くないか?」



 そう。二人は扉の前で、オレはそこから真っ直ぐ後ろに下がった位置。



 これって人と話す距離か?


 普通オレのいる所まで来るんじゃ……?



 でもまぁ、凛が無理なのだろう。
  
 小さく溜息(タメイキ)をついて歩き出す。



 が、一歩踏み出した瞬間の茜の大声で、これ以上前に進めなかった。
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