それでも、やっぱり君が好き。
 

 オレが驚いていた間にも、茜は口に手を当てて笑いながら「卒業までって期限長くない?」などと言っていた。



 ふん、勝手に笑ってろ。


 一応計画は立ててるんだぜ? オーケーされた場合の、だけど。




 茜は、オレに凛のことを諦めて欲しいから邪魔をするかと思っていた。


 けど、何を考えているのか、凛にこんな提案をし始めた。



「……ね、凛。一週間だけ朝倉と、お昼とか一緒に居てあげれば?」


        
 その瞬間、凛が露骨(ロコツ)に泣きそうな顔をした。
  

 「無理無理勘弁して」という顔だ。圭太、ちょっとショック!



 な……何で茜が凛にそんな提案を!?
                  
    
 茜は凛を自分の方へと引き寄せ、耳元でごにょごにょと囁(ササヤ)く。


 そう、正に『囁く』がピッタリだ。



 何を話していたのだろうと、この後も気になって仕方がなかった。

< 35 / 105 >

この作品をシェア

pagetop