それでも、やっぱり君が好き。
オレが驚いていた間にも、茜は口に手を当てて笑いながら「卒業までって期限長くない?」などと言っていた。
ふん、勝手に笑ってろ。
一応計画は立ててるんだぜ? オーケーされた場合の、だけど。
茜は、オレに凛のことを諦めて欲しいから邪魔をするかと思っていた。
けど、何を考えているのか、凛にこんな提案をし始めた。
「……ね、凛。一週間だけ朝倉と、お昼とか一緒に居てあげれば?」
その瞬間、凛が露骨(ロコツ)に泣きそうな顔をした。
「無理無理勘弁して」という顔だ。圭太、ちょっとショック!
な……何で茜が凛にそんな提案を!?
茜は凛を自分の方へと引き寄せ、耳元でごにょごにょと囁(ササヤ)く。
そう、正に『囁く』がピッタリだ。
何を話していたのだろうと、この後も気になって仕方がなかった。