それでも、やっぱり君が好き。
 なんの変哲のない会話を交わすのは平和の象徴だ。



 が、その平和はすぐに終わりを告げた。




「どうして遅刻したんだ?」


「…………」



 オレは正直言って、さっきのことを言うかどうか迷っていた。



 ミナからもらった情報では、やはり凛はモテるそうで、『涼峰凛には誰も手を出さない条約』というものがつくられているらしい。……何だそれ。


 オレはそれを知った上でさっきのことをしたのだが、あまり面倒くさいことにはなってほしくない。



 それに、恋愛については人に広めたくない。


 公認カップルとか、冷やかされたりとかまっぴらだ。


 凛もそういうのは嫌がるだろう。


< 39 / 105 >

この作品をシェア

pagetop