それでも、やっぱり君が好き。
 ――――――オレ、朝倉圭太は、3日ほど前にこの高校、県立大銘高等学校に入学した。


 つまり、高校生デビューしたてということだ。


 名前は凄そうな高校だが、そこまで偏差値が高いわけではないので頑張ればオレでも受かることができた。




 高校生になり、目標を立てる人も多かろう。

 
 オレも、目標というか、望むものはある。



 オレが、この三年間に望むもの。
 
 
 それは、友達とワイワイした楽しい学校生活。



 それと――――――恋人になるまでに大変な道程のある、恋愛。


 この二つだ。




 オレは廊下を大きく見渡した。


 
 うん、もうこの廊下の人にはだいたい挨拶できたな。


 もうD組まで来たし。



 後は、教室にいる人もいるから……教室をちらっと見てからオレのクラス、B組に帰ろうか。

                        
 人混みの中、一人で立っているのも悲しいものなので、踵(キビス)を返し歩きながら教室を覗く。



 D組、C組……。


 おっ、仲良くなれそうな人みっけ。



 B組はオレのクラスだから、最後にA組を見てから戻ろう、そう計画を立てながらA組を覗いた。



 ……まぁ、普通だな。



 目的は達成したので戻ろうとした時、ある一人の女子生徒が目に入った。

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