それでも、やっぱり君が好き。


 * * * 



 オレは屋上が好きだ。


 だから、なにかとあると必ず屋上に行ってしまう。



 そして、春の今なら温かい太陽の日差しが心地いい。昼寝にもピッタリだ。



 夏は、暑いがたまに吹く風が涼しい。



 その風にあえたらオレはいつも一人で「よっしゃラッキー!」と、心の中で叫んでいる。


 自然だし、いつあえるか分からないから貴重なんだぞ。




 ついさっき来たばかりの屋上で、オレらはあぐらをかきながらコンクリートの温かい地面に座る。
  

 ここは陽が当たっていて、地面が温かくなっていた。



「よーし、じゃあ教えてくれ!」



 楽しみそうににこにこ言う勇輝を見ながら、オレはさっきの出来事を語った。




 すると勇輝は心底驚いた、といった様子ではぁ〜、と何度もゆっくり頷く。

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