それでも、やっぱり君が好き。
ありがたすぎる。
あの屋上での様子が怪しくて、なにか裏がありそうな気がするけど。
でもちょっと、悲しくなってくるよなー。
この状況を体験したら、きっと身を持って感じると思うぜ。
顔を上げると、凛と茜がのろのろとオレの方へやってきた。
返ってくる言葉はわかっているのに聞いてしまう。
「……凛、大丈夫か?」
案の定、凛はふるふると首を振った。
二人はオレの前に立ったまま、何もしようとしていない。
……もしかしてこいつらを、オレが動かさないといけないのか。
鼻で息をついて、
「屋上でいいか?」
「勝手にどうぞ」
「……うん……」
冷たいやら暗いやらで、可愛いのに勿体無い女子二人だった。