それでも、やっぱり君が好き。


 俺が屋上に向かって歩き出すと、後ろから俺に付いて来る足音がした。



 良かった、あんな嫌々でも付いて来てくれるんだな。


 もっとも、付いて来てもらわなくては困るのだが。



 しばらく進むと、足音が小さくなってきた。


 俺があれ、と思い後ろを振り向くと。





 A組の廊下で二人が足踏みしていた。





「おいいいいいっ!! 何で来てないんだよ!?」



 俺のツッコミに、茜は首をすくめ、凛は怯えた目で俺を見ていた。

 
 やべー……。また怯えた目で見られてる。悲しすぎ。



 周りもいきなり怒鳴った俺に、不審そうな目を向けている。


 そいつらに軽く頭を下げ、二人がここまで来るのを待った。



 見ていると、歩くのがとても遅かった。凛とか走るのは凄く速かったのに。

 
 やっぱり、拒否反応を示しているのか。



 そう考えるた度、心がナイフで傷付けられていくような気がした。


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