それでも、やっぱり君が好き。


 そこで、茜が口をあまり開けずにぼそっと呟いた。



「え、何。床で食べんの?」 


 
 そうだ。食べる場所が欲しい。


 ここは屋上では無く、しかも使われていない教室だ。床に座るのは男子の俺でも嫌だ。



 俺はタワーとなっている一つの机の両はじを掴んで、凛達の前に置いた。




「これでどうだ?」




 茜は机を指で触れたりして、汚くないか調べているようだった。



 
「汚いけど……床よりましか」



「んじゃー決定」 




 決まった途端、俺は猛スピードで机、そして椅子を全て三つずつ用意した。


 密かに期待を寄せていた食べる順番だが、凛は茜の横に来て、俺が凛の隣に行こうとするとめっちゃ嫌がられた。それはもう、泣きそうなくらい。



「いただきまーす」


「いただきます」

 
「……いただき、ます」



 息とか全く合っていない。

 二人三脚をしたら確実にビリだろう。


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