それでも、やっぱり君が好き。


 凛の弁当は、水色の水玉模様の女の子らしい弁当ケース。


 対して茜の弁当は、オレンジ色の模様の無い、シンプルな弁当ケースだった。





 ……会話が無い。




 仮にオレが話しかけても、話は発展しないので困りものだ。



 そんな時に、茜が箸を置いて喋り出した。




「私達と一緒にお弁当を食べる、条件があるから」



「え、それ初耳」




 何も聞かされてないぞ……。


 それに今更条件などと言われても、もう一緒に食べてしまっている。詐欺だ!



 だが茜は、確信していたように言った。 



「朝倉はどんな条件でも、乗ると思っていたから」 



 確かにそうだ。オレはどんな条件でも、絶対に乗る。



 茜は話を戻した。



「その一、凛のことを『涼峰さん』と呼ぶこと」


「はぁぁ!?」



 何で苗字で呼ばなくちゃいけないんだよ!?


 しかもその一ってことはまだまだあるのか!?

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