それでも、やっぱり君が好き。


 そう言うと、茜は少しペースを上げて弁当を食べ始めた。

 

 なんだ……? オレを信じていた、ということか?




 そこで、オレは忘れかけていた涼峰さんの存在を思い出した。



「凛……じゃなくて涼峰、さん」



 茜に睨まれたので慌てて言い直す。

 こえー。蛇だな。



 涼峰さんはいきなり話しかけられあわあわとしていて、持っていた箸を落としそうになっていた。




「な……っ、何です、かっ……?」



「俺さ、男性恐怖症を一緒に治す、って言ったよな」




 なぜそんな話になるのかと、涼峰はきょとんとしていた。



 そんな君も可愛いよ、とカッコつけて心の中で口説く。




「今日からそれを、スタートするっ!」





 オレは椅子を引いて立ち上がると。


 
 若干誇りの被った黒板の前に立ち、白いチョークを取った。


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