それでも、やっぱり君が好き。


「今日は、男とは何なのか、ということを説明する」



 ちょっぴり先生っぽい口調にし、黒板の前に立つ。



 
「……お……おとこぉ……?」



 最後が弱々しくなっていて、大変可愛かった。こんなのを毎日聞けたら最高だ。


 
 オレは白いチョークを強く握り、緑色の黒板に漢字一文字を大きく書いた。


 
 静かな教室に黒板に書くカツカツという音が響く。




 『男』




 先生がするみたいにグーにした手で、漢字の横をコンコン叩く。



「『男』(オレ)――――――。


それは、お笑いが好きで、バスケが好きで、勉強が嫌いで、


喋るのが好きで、グリンピースが嫌いで、ゲームが好きで、




 凛が好きなんだぁっ!!」






 シーーーーーン
 



< 60 / 105 >

この作品をシェア

pagetop