それでも、やっぱり君が好き。


「なっ……な、なんです、か? きゅ、きゅうに……っ」 



 怯えて茜の後ろに隠れてしまった涼峰さんも、可愛い。



 オレは得意げになってスマホの画面を見せながら説明した。 



「こんなアプリを見つけたんだ。これで男に接する練習になるんじゃないか?」



 茜は無言でオレからスマホを奪い取り、じぃっと画面を凝視。


 なに? と涼峰さんもオレのスマホを覗き込んでいた。



 やった、涼峰がオレのスマホを見てくれた。


 ……なんて、それくらいで喜ぶ変態じゃないからな。




 茜はすぐに興味を無くしたように、画面から目を離して自分のお弁当を食べ始めた。


 残った涼峰さんは、悩んでいる表情でスマホをぎゅっと握る。


 ちょ、やめ、オレのスマホが壊れる。




「……やって、みる……っ。西、洋風……のっ」
 


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