それでも、やっぱり君が好き。


 突然の言葉に、オレは瞬きを一回して涼峰さんを見た。



「やってみるって……この、アプリをか?」



 すると涼峰さんは口をへの字にしてオレから目を逸らした。


 そして、再びお弁当を食べ始める。



 白い箸で掴まれた小さなウインナーが、涼峰さんの口に入った。



 どっちなーんだい!


 もしやるのだったら、気が変わらないうちにインストールしなければ。




 それより日本風より西洋風のが好きということは、結婚式はウエディングドレスで決まりだ。



「分かった、インストールしたら渡す」




 画面をタップしながら言うと、あまり見えない前のほうで、涼峰さんが頷いたような気がした。


 すぐにインストールが終了し涼峰さんにスマホを預ける。



 見ると、彼女のお弁当はあと残り少しだった。
  

 やばい、オレも食べなくちゃ。

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