それでも、やっぱり君が好き。
「わぁ、茜ちゃんっ、私お姫様の代役になっちゃったよ……!」
「凛のお姫様……っ!? 見たい、見せて」
顔を紅潮させながらスマホを奪い取る茜。
「わ、私がそのまま居るんじゃないよ。アバターだけど私に似てないし……」
「なんだ。ならいいや」
その瞬間、興味を失い弁当箱を片付け始めた。
だからコイツの、涼峰さんに対する態度っつーか執着心? は何なんだ?
驚きを通り越してちょっと怖い。
オレが普通に食べれば、お弁当なんて小さいもんだしすぐに食べ終わる。
あっという間にお弁当を平らげ、茜の後を追うように弁当箱を片付けた。
ぽつん、と涼峰さんの可愛らしい小さなお弁当が置いてある。
シミレーションゲームをやっていて、食べようとも思わないのか。
オレだったらやりながら食べるけどなー。そこが、女の子らしくていいけど。
じいっとオレが見つめていると、涼峰さんが首をかしげた。
「茜ちゃん、何か今日のストーリー終わっちゃったみたいなんだけど……。
チケット、買っていいかな?」
「買っちゃいなよ。 凛が続き見たいもんね!」
「うん! 買うね!」