それでも、やっぱり君が好き。


 なわんとなくスマホを取り出して、あの乙女チックなアプリをタップする。


 涼峰さんのハマったアプリがどんな物かを見たかったし、どれくらい課金されたのかも確認したかった。



 お姫様〜なタイトルを急いて連続タップすると、マイルームみたいなところの画面になった。
 


 女の子のアバターは、ラベンダー色のふわりとしたミニドレスに、ピンクや白のバラが付いている。


 三つ編みをカチューシャみたいにして、右耳のあたりでふわふわウェーブされた栗色の髪。


 それに、ピンクや白のバラがドレスとおそろいで髪に付けられている。



 うわ、今日結婚式は……とか言ってたけど、涼峰さんはこういうのが好みなのか。メモしなくっちゃな。




 課金はどうすれば見れるのか分からなかったため、見れなかった。




「げっ、あんたこんな乙女ゲーしてんの!? キッモ!」
 



 突然頭の上から響いた、オレを罵倒する台詞。




「げっ!? 姉貴!? なに見てんだよ!」




 慌てて画面をスリープモードにするが、すでに時は遅し。


 もう見られてしまった後なのだから。


< 74 / 105 >

この作品をシェア

pagetop