それでも、やっぱり君が好き。
なわんとなくスマホを取り出して、あの乙女チックなアプリをタップする。
涼峰さんのハマったアプリがどんな物かを見たかったし、どれくらい課金されたのかも確認したかった。
お姫様〜なタイトルを急いて連続タップすると、マイルームみたいなところの画面になった。
女の子のアバターは、ラベンダー色のふわりとしたミニドレスに、ピンクや白のバラが付いている。
三つ編みをカチューシャみたいにして、右耳のあたりでふわふわウェーブされた栗色の髪。
それに、ピンクや白のバラがドレスとおそろいで髪に付けられている。
うわ、今日結婚式は……とか言ってたけど、涼峰さんはこういうのが好みなのか。メモしなくっちゃな。
課金はどうすれば見れるのか分からなかったため、見れなかった。
「げっ、あんたこんな乙女ゲーしてんの!? キッモ!」
突然頭の上から響いた、オレを罵倒する台詞。
「げっ!? 姉貴!? なに見てんだよ!」
慌てて画面をスリープモードにするが、すでに時は遅し。
もう見られてしまった後なのだから。