それでも、やっぱり君が好き。
 我が姉はもう終わったのか、ケータイを手に持ちながらオレを軽蔑するような視線を向け、、自分の身をさすった。


 そして笑いながら、




「おかーさん、圭太が乙女ゲーしてるー!」




 文字で表したら絶対に『www』と後ろに付きそうな言葉を、オレは遮るように絶叫する。



「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」



「あら、乙女ゲーってなぁに?」



「“女性向け”恋愛シミレーションゲームのこと」



「まぁ……」




 そんなこと、教えなくていい! やめてー! オレまじで泣きそう!



 もう、見なくてもどんな視線を二人で向けているか分かる。




 ……その日の夕食は、言うまでもなく今までで一番居心地が悪かった。



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