それでも、やっぱり君が好き。


 ……というわけでオレは今、自動販売機を求めて歩いている。



 あいつらが注文したコ〇・コーラは今だけビックサイズになっていてお得なのだ。


 だが、お得なコ〇・コーラが売っている自動販売機は一ヶ所しかなく、それがまた遠い。


 校舎の裏にあり、校庭を回っていかなくてはならない。全く不便だ。



 
「はぁ、くっそ……。本当に罰ゲームだな」




 校庭を歩きながら独り呟く。

 
 そうだ、この後授業が終わったら部活だから、いっちょ走るか。



 部活といえば、今日からやっと入部スタートだ。


 バスケをしたくてうずうずした。
 


 何歩か走っただけですぐに加速し、五〇メートル七秒の速さが出た。




 もうすぐ校舎の裏だから、すぐに自動販売機でコ〇・コーラを買って戻れるだろう。



 だんだん減速し、勢いを落としていく。最後にはもう歩いていて、丁度校舎の角を曲がろうとしたときだった。






「ねぇ、君が涼峰凛ちゃん?」




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