それでも、やっぱり君が好き。
 

 てっきり「嘘つけ」などと言われ探られるのかと思っていたが、ポニーテールの女子はあっさり引き下がった。



「そう。ならいいけど……凛と両思いだなんて、甘い事考えない方がいいと思うよ? ――――凛、男子嫌いだから」



 それだけ言うと「ごめんね」と、凛も含めた今まで一緒にいた女子達に謝り、お喋りを再開しに教室に戻っていった。



 今の、何だったんだよ……。


 聞きたいことだけ聞いて、言いたいことだけ言って。



 オレの言葉なんて聞きたくないとでも言うように、台風みたいに去っていった。




 それに、…………凛……が男子嫌い?


 そんなの、男子から凛を守るための嘘であって欲しい。

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