それでも、やっぱり君が好き。
会話の終わりを機に、オレは立ち上がって後ろのズボンを叩(ハタ)いた。
「じゃ、オレそろそろ行くな。部活あるから」
オレがずっとここにいると涼峰さんにも可哀想だし……。
改めて思うけど、オレいると可哀想とか嫌われてるみたいだよな。
ま、涼峰さんもあぁ言ってくれたし、それを治していくのがオレの仕事だから……凹んでる場合じゃない。
そんな暇があるなら新しい男対策でも考えろって話だ。
当たり障りのない別れの言葉を言って立ち去ろうとしたオレへ、意外なことに引き止める声がかかった。
「ちょっと待って」
このしっかりとした、芯の強い声は茜だ。
呼び止められるとは思ってもいなかったので少し驚いた。
「ん?」
振り返って再び二人の姿を目で捉える。