それでも、やっぱり君が好き。
オレが立っているからか、涼峰さんと茜まで立ち上がってオレと目線を合わせた。
悲しいことに涼峰さんのそれは一瞬で、視線はすぐに地面へと向けられた。
一体なんなんだと、次に出てくる言葉を待つ。
茜が少し間を置いて口から出てきた言葉は、忘れかけていたこのことだった。
「あたし達とお弁当を食べるって言った一週間……今日で終わりなの」
突然風が涼峰さんの髪をなびかせた。
校舎の陰にいるせいでその風は冷たく感じられる。
「えっ……うそ、マジで? もう?」
全然覚えてなかった。
あと何日と数えていたわけでもないし、元々記憶力の悪いこの頭だ。
それより、“一週間”ということをすっかり忘れてその時間を楽しんでしまっていた。
どうせなら茜も涼峰さんも忘れてしまって、期限なんてなしでお昼が食べれたら良かったのに。
涼峰さんは嫌々だったから忘れるはずなんてないけど。