それでも、やっぱり君が好き。
怒りを押し殺したような茜の声がオレの思考を中断された。
……どういうことだ?
顔を正面に向ければ、拳をぐっと握りうつむく彼女の姿。
「そんなにあたし達とお昼食べたくないの? もう終わりがいいわけ? それならいいわよ。正真正銘の、終わりで」
女子特有の責め口調で冷たく言い放つ。
「そんなわけないだろ! このままずっと一緒に昼食べていてーよ!」
聞き逃せないことを言われすぐさま反発するも、すぐに言い返される。
叫んだ後に呟かれたものは、耳を疑うものだった。
「ならなんであんなに終わりを急かすようなこと言ったのよ! ……折角あたし達がまだお昼一緒に食べていたいな、って思ってたのに」
「……え、うそ、マジで?」
「ホントだし……」
少し恥ずかしそうにオレを見る茜の様子からすると、どうやら本当のようだ。
嘘……なんてはずはない、と思う。