それでも、やっぱり君が好き。
毒を吐かれても、本心ではないだろうというポジティブ機能がさっきの言葉によって備わったので、痛くも痒くもない。
本心ではないというか、最初の頃のような刺が入っていないから大丈夫なのだろう。
「それより、どうしてあんなに終わりを急かすようなこと言ったの? まだ答えを聞いてないんだけど」
「あれ、その話まだあったのか?
オレだってあんなこと言いたくなかったけど、頭の中で考えた言葉を言ったら早口になっちまって……。
でも、あの後新しい約束を結ぶつもりだった」
流されてしまった問をもう一度聞くほど気になっていたことだろうに、茜は表情を変えずにオレの答えを無言で耳にしていた。
そんな彼女が反応したのは最後の言葉。
「……新しい約束?」
「あぁ。明日お前らの教室行って、お昼食べようって誘うつもりだった。
期限が付けられて切れたら、また何度でも」
茜がふっと笑みを零した。