京月君、ストーカーなんだって
その言葉を聞いた瞬間、私の時間が止まった。まるで海の中に入ったみたいに、息が詰まり、口内が渇いてゆく。
突然言葉を詰まらせた私を、美雪は怪訝そうに見ている。大変だ、誤魔化さないと。アレがバレるわけにはいかないから。
「無雪、どうしたの?」
「なんでもない。京月って大人しいイメージだったから、驚いただけ」
「ふぅん。でも無雪が驚くなんて、珍しいね」
「そう?私、よく驚く方だと思うけど」
「…それ、本気で言ってるの?」
美雪が眉を顰めた理由がわからず首を傾げるものの、溜息で誤魔化された。
それよりさ、美雪が小さな声で言う。いつもより顔が真剣だ。
「京月君、好きな女に近づく男は陰で消してるんだってさ。女でも馴れ馴れしすぎると恨まれるらしいし。
…とにかく無雪も気をつけなよ」
「……う、うん」
「でも、その、京月君の好きな女ってのも大変だよねぇ。ストーカー紛いのことされてさ。
ま、男っ気のない美雪には関係のない話か」
美雪はケラケラ笑ったが、私はどうも笑えなかった。代わりに重い罪悪感が心に枷を付けて、息がまた苦しくなる。
早くこの苦しさから解放されたくて、無駄だとわかっていても心の中で謝罪を繰り返した。
ごめんなさい、美雪。その、京月君の好きな女っていうのは
………私なんだ。
突然言葉を詰まらせた私を、美雪は怪訝そうに見ている。大変だ、誤魔化さないと。アレがバレるわけにはいかないから。
「無雪、どうしたの?」
「なんでもない。京月って大人しいイメージだったから、驚いただけ」
「ふぅん。でも無雪が驚くなんて、珍しいね」
「そう?私、よく驚く方だと思うけど」
「…それ、本気で言ってるの?」
美雪が眉を顰めた理由がわからず首を傾げるものの、溜息で誤魔化された。
それよりさ、美雪が小さな声で言う。いつもより顔が真剣だ。
「京月君、好きな女に近づく男は陰で消してるんだってさ。女でも馴れ馴れしすぎると恨まれるらしいし。
…とにかく無雪も気をつけなよ」
「……う、うん」
「でも、その、京月君の好きな女ってのも大変だよねぇ。ストーカー紛いのことされてさ。
ま、男っ気のない美雪には関係のない話か」
美雪はケラケラ笑ったが、私はどうも笑えなかった。代わりに重い罪悪感が心に枷を付けて、息がまた苦しくなる。
早くこの苦しさから解放されたくて、無駄だとわかっていても心の中で謝罪を繰り返した。
ごめんなさい、美雪。その、京月君の好きな女っていうのは
………私なんだ。