玲汰、知ってる?

「なんなのお前。なんでそんなに強引なの?」

俺は周りの目を気にしながら、またため息。


「玲汰が逃亡しないように付き添ってやってんだろ」

「付き添いじゃなくて連行じゃ……」

「は?」

「なんでもありません」


莉緒の身長は約160センチ。女子の平均身長よりは高めで恐らく体重は痩せてるから軽い。

なのに177センチ58キロの俺を乗せても余裕で自転車を漕ぐ。

言っておくけど俺はもやし体型じゃない。そこそこ筋肉もあるし力もあるし、ひ弱なキャラは卒業したし。


「あのさ、普通に恥ずかしいんだけど」 

自転車のニケツは別にいい。歩くより早いし快適だし無駄に体力を浪費しないで済む。だけど俺が言いたいのは……。


「今さらなんだよ。小学校の時から私が前だって決まってんじゃん」

そんな決めごとがあったなんて初めて知ったけど。自転車を二人乗りする時は必ず莉緒が前で俺は後ろ。

小さい時は別に良かったけど……やっぱり見た目的にどうなのって感じだ。
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