玲汰、知ってる?
「お前って絶対、前世は男だよな」
そうじゃなかったら成立しない。
むしろ現在も男だったらこの性格もなんら不自然じゃないし、見た目と中身のギャップに困惑することはないのに。
「そういう玲汰は絶対女だな」
考えてみれば俺たちの性別が逆転したらいい気がしてきた。
俺も女だったら守られることも後ろを付いていくことも、どんなにひ弱な性格でも悩むことはなかったかもしれない。
こんなことを考えたところで意味なんてないんだけどさ。
そのあと莉緒は何故かじっと俺を見つめてきて、まるで蛇に睨まれたカエルの状態。
「えっと……なに?」
チラッと横目で確認してもまだ見られている。
「うーん。そんなに悪くはないんだけどなあ」
「なにが」
「顔は今時の塩顔だし身長も高いし、男らしくはないけど偉そうなヤツよりはずっとマシなのに」
「なんだよ急に」
「なんでそんなにモテないの?」
「グサッ」
「あー、そういう効果音を口で言う男は引くわ」
「お前が言わせたんだろ」
そんな話をしてる間に貴重な昼休みが終わってしまった。