玲汰、知ってる?



そして次の日、俺は寝不足だった。

いつ自分が寝たのか、それともずっと起きてたのかその境目が曖昧だ。

莉緒とは幼なじみだし、そりゃ泊まることも初めてじゃない。むしろガキの頃は同じ布団に寝かされてたし、ぶっちゃけ風呂にだって一緒に入ったことがある。


でも高校1年生になって、隣からはずっとあいつの寝息が聞こえてきて。

自分の部屋に自分以外の人がいることが落ち着かなくて結局、寝つけなかったってわけ。


「あーよく寝た」

それなのに莉緒は腕を大きく伸ばして、清々しいほど目覚めのいい朝を迎えたらしい。


「玲汰、髪の毛爆発してるぞ」

「………」

なんで寝てない俺の髪の毛が爆発していて、爆睡していたこいつの髪の毛には寝癖ひとつ付いていないのか。

色々と不公平すぎる。


俺たちはそのあと朝と昼兼用で家にあったカップラーメンを食べて、また今日も勉強がはじまった。

しかも俺が最も苦手な数学と英語。
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