君との景色
物心がついた頃から、既にここにおり、

両親は知らぬ間に他界した。

「もうすぐ四月かぁ…」

そう呟き、私は窓を見た。


…といっても病室は4階で、窓は中庭側にある。

中庭には木々がなくて向かい側の病棟があるだけ。

桜なんて、一度も見たことがない。

「はぁ〜〜」

私は、大きなため息を落とした。

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