チョコミントが溶ける頃に
「あわっ!?」
「その驚き方、面白いね」
彼女の驚き方に笑って、アイスクリームを手渡してからプラスチック製の椅子に腰を下ろす。
彼女の持つ『ブチネズミソフト』はチョコミントのアイスが真ん中に一つと左右上に小さいものが二つ。
そしてチョコペンでネズミのアニモンキャラの顔が描かれており、とても可愛らしいアイスだ。
夏場だと人気ナンバーワンのアイスだとか。
ぼくはすっかり冷たくなった体に温かい飲み物を流し込む。
あぁ〜、あったか……。
こんなに寒いのにアイスなんて、本当に生嶋さんは大丈夫なのかな……。風邪気味とか言ってたし、余計心配だよ。
ぼくの心配をよそに、嬉しそうに顔をほころばせてネズミの耳をかじる生嶋さん。
「おいし〜い……!」
口の中のアイスが無くなるとホットミルクティーを飲み、またアイスをかじる。
そんな幸せそうな顔で食べられたら、ぼくまで食べたくなっちゃうよ。
ホットミルクティーで体を温めると、彼女が言った。
「私ね、チョコミントが大好きなんだ。アイスでも美味しいし、色合いも可愛くない?」