チョコミントが溶ける頃に




「じゃ、じゃあ……いただきます!」





ぱくっ。





 ブチネズミの頭をかじる。



 冷たくて寒い……そんな感覚はあるけど、羞恥で顔が熱を生んでしまっているから熱冷ましに丁度いいのかもしれない。




 アイスは、普通に美味しかった。


 ミントのスースーする感じと、チョコレートの甘い風味が混ざり合って不思議なハーモニーを生み出している。



 アイスは寒いし嫌だな、と思っていたけど顔が既に熱いし、温かい飲み物があればそれほど寒くは感じられなかった。




「……美味しいね」




 恥ずかしさのあまりぼそっと呟くと、生嶋さんは嬉しそうな顔をした。




「本当!? 良かった〜、嬉しい!」




 さっき口にしたアイスに生嶋さんの、あの柔らかそうな唇がついていた――――――とか考えちゃダメだ。


 ダメダメダメダメダメ。それはせめて家に帰ってからで……。




 ぼくはハッとして慌ててスマホの時計を見る。


 わっ、あと十秒しかないよ!




 引き続きのほほんとアイスを食し続ける彼女を見つめ、恥ずかしさを押し殺して心の中でカウントダウン。



 六、五、四、三――――――――。





「……生嶋さん、見て」




 ぼくが指で指した噴水は、時計が七時になると同時に至る所から光が漏れ始める。


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