チョコミントが溶ける頃に
「……優成くん、君はこの後どうする?」
・・・
どうしたいかなんて、答えは一つ。
だけど、それが出来ないことを分からないほど子供ではない。
ギリギリまで残っていたいけど……家族の時間を考慮したほうがいいと思った。
「ぼくは、このまま帰ります……。明日、朝また来てもいいですか?」
彼は深く頷いた。
「もちろんだよ。……最後に一つ、いいかい?」
「はい」
なんだろう、なにを聞かれるのかと頭の中で質問の想定を展開させていたら、生嶋さんのお父さんは優しい笑みを浮かべて、
<p style="text-align: center;">「優成くんは幾羽のなになのかな?」</p>
き、きた――――――……!
目から溢れる雫を拭っていた生嶋さんのお母さんまでもがあら、とぼくと生嶋さんのお父さんを見つめてぼくの返答を待っている。
もしかしたらくるかもな、って思ってたんだよ!
うわぁ﹏﹏﹏﹏﹏﹏っ、なんて答えればいいんだろう……!?
――――――――本当は、“彼氏です”って言えたらいいのに。
でも交際していないし、ここは普通に本当のことを伝えるしかない。
「え、あ、えっと友達です」
明らかに動揺しているのが丸見えだったけど、これが正解のはずだ。