チョコミントが溶ける頃に






「だから、生嶋さんの一人で抱えてる苦しさとか、色々な気持ち。ぼくに言ってほしいなって。


 言いたくなかったらいいんだけどさ。




 こんな頼りないぼくだけど、支えられる……かもしれない。ううん、支えたい。




 もし誘われてなかったら結果だけしか聞かされないなんて、嫌だ。……だから」





 ぼくが長いいくつもの文を言い終えると、薄く微笑んで彼女は言った。




「そうだね……。ありがとう」




「どういたしまして」




 つられてぼくも笑い返す。 





 やっと、生嶋さんはプレゼントを受け取ってくれた。



 店員さんに飾ってもらったラッピングをしゅるるっとほどいていく。




 袋を縛っていたのは、彼女の髪と同じ色のたった一本のリボン。



 役目を終えたリボンは彼女の指から離れ、布団の上に置かれる。





 袋から出てきたのは水玉の、チョコミントカラーのシュシュだ。





 綺麗な笑顔で彼女が呟く。




「チョコミントだ……」




 一昨日と昨日で色んな店を訪ね、やっと見つけたチョコミントの物。



 あまり使えないもので申し訳なかったけど、これが精一杯考えたぼくの、生嶋さんへのお礼だ。


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