チョコミントが溶ける頃に
機関銃のように次々と言葉を発した後に舞い降りてきたのは、沈黙。
なんてうざったい男なのだと幻滅しちゃったかな、生嶋さん。
でも、こんなのがぼく。だからモテないのかな……。
彼女は今、どんな表情をしているのだろう。怒った顔かな。悲しんだ顔かな。
土下座したまま、ふとそんなことを思った。
床しか見えないぼくの耳に籠もった彼女の声が聞こえる。
「世尾くんは本当、最低だよ……。
女の子の鞄あさってスマホ見るとかありえない。そんな人だとは思わなかった」
――――うん、分かってる。そんなことを言われても仕方無い。
でも実際に生嶋さんの口からそんなことを言われると、さすがにちょっと傷付いた。
「でも、」と彼女が言ったのは逆接の言葉。
「そんなことをしてまでわたしの為に一生懸命になってくれて、世尾くんは本当優しい人。
そんなところは思った通り、かな……。ありがとう」
え……。
思っていた展開と、違う。
恐る恐る顔を上げると、ベッドの上で体育座りしながらニコニコと微笑む生嶋さん。
「え、ちょっと待って……どういうこと? なんで、うまくいかなかったんじゃないの……?」