チョコミントが溶ける頃に
そんななんだか寂しげに煌めく水色の頭を、なんとなく手で撫でる。
数秒して、ぼくの頬に冷や汗がたらりと流れた。
あ、あれ、なんか生嶋さんの頭を撫でちゃったけど……大丈夫だったかな!?
子供扱いしやがってとか思われないだろうか。
垂れる冷や汗の数が次々増える。
しかも、頭から手を離すタイミングが掴めない……っ!
その状態のまま、心の中で肩を落とした。
かっこよくできたらいいのに。
頭の中でシミレーションをしても、どうしても感情やらなんやらが邪魔して上手くいかない。
ぼくだって男だし、正に漫画みたいに格好良く振る舞えたらいいのにな……。
しばらくして、ぼくは思い切って恐る恐る彼女の髪から手をどけた。
すると、数秒空けて生嶋さんが顔を上げる。
掛け布団で吸収したのだろうか、彼女の瞳に水滴は一粒もなかった。
赤くなった目を細め、口角を上げながら落ち着いた声色で彼女は言った。
「元気付けてくれてありがとう。もう、そろそろだから……伝えたいこと、今伝えておいた方がいいんだよね。
……じゃあ、わたしの話を――――聞いてくれる?」
ぼくが頷くと、生嶋さんの口から彼女の昔話が流れ始めた。