チョコミントが溶ける頃に





「わたし、小さい頃から心臓が悪くて……医者からは十五歳までしか生きられないだろう、って告知されてたの」





 えっ……! そう、だったんだ……。



 咳してて風邪気味って嘘付いたのも、全部、それのせいだったんだね。



 今までそういった重荷を全て背負って、ここまで歩いてきたんだ。




 っていうか十五歳まで!? 二年も読み違ってるよ……!? 


 大丈夫なのかなぁ、その医者……。




 
 いろいろな感想が出てくるぼくの心情を分かっていないであろう彼女は、淋しそうに微笑んで続ける。




 こほっ、と途中途中咳を挟んだ。





「そのせいで毎日が怖くて、皆が将来の夢について話している時とか、すっごく苦しかった。



 神様とか恨んだし、自殺を考えた時もあったなぁ……。




 それでどうせもうすぐ死んじゃうんだから、って結構空っぽの日々を過ごしてた。




 十五歳までしか生きられないって言われてたから、行けないって思ってた高校に行くことができて、正直言って飛び上がるほど嬉しかったの。



 けど、医者が言った年月以上にわたしは生き続けたから、いつ死んじゃうんだろうってすっごく怖かった。


 発作が起きる度に死んじゃうのかなぁって思った。



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