チョコミントが溶ける頃に





 関わるのが、遅かったのかもしれない。



 同じクラスの時にもっともっと関わっていれば、話していればと次々に後悔の念が生まれ出てくる。





「そうなの!」





 生嶋さんは満面の笑みで、ぼくにとどめの一撃を繰り出す。




 その言葉たちから彼のことをよく見ているのだということが伝わってきて、胸がズキンと痛んだ。





「クラスの人、誰にでもすごく優しくて、笑顔もすっごくいいの。




 皆に優しいのが嫌になる時もあるけど……授業中ふとしてる顔とか、友達と喋ってる時の姿とか、すっごく好き」





 しかも、ぼくの前で大告白。




 目の前に、ついさっきあなたに失恋した男がいるんですけど……っ!




 事情を知らない彼女は、きゃー、言っちゃったーとばかりに恥ずかしさで顔を赤くさせる。




 いつ見ても面白い、みるみるうちに広がっていく赤が、今日はなんだか切なかった。





 その姿を見て、気付けば口に出していた。




「……ねぇ、その“彼”って誰?」




 言ってしまってからすぐに後悔する。




 彼女も動揺していて、元々赤かった顔は更に赤さを増幅させ林檎のようになっていた。




 恥ずかしくて顔を見れないのか、俯いて呟く。



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