いたって普通の恋愛話
勢いよく、手を引っ張られる。
でもおかげで、乗り遅れずに済んだ。
プシューーーー
ドアが、完全に閉まった。
「ふぅ……ごめんな?手、痛かったろ?」
勢いよく引っ張った私の手を、心配してくれてるみたいだ。
「いや、大丈夫だよ!ありがとうね、木村君。助かった!」
「そっか、良かった。」
「うわっ⁉︎」
電車が揺れる。満員のせいで木村君に勢いよく傾く。
「っ、セーフッと!ごめんね〜、あとちょっとで木村君潰す所だったね〜、危ない危ない!」
私はギリギリの所で踏ん張った。おかげで潰さずに済んだ。