いたって普通の恋愛話
逃げました
ダメだ!やはり見れなかった。
今頃みんな心配してるかな?
………むしろ居たこと忘れてんのかな?
「とりあえずそろそろ戻らないとな」
口では言ってみたものの、体がゆう事を聞かない。
ガタガタッ
自分でも分かるぐらいに震える手足。
廊下には誰一人としていない。
かすかにドアの向こうから音が漏れている。
それが映画の最中だと教えてくれる。
そして私が抜け出してきたことも。
さて、何故私がこんな事になったのか。
少し遡ることにしようか。