いたって普通の恋愛話
時刻は1時40分。映画が始まる時刻、そして、私の地獄が始まる時刻。
「………最悪だ。終わった、完全に終わった。神様はちょっとでも私を守ろうとはおもわなかったのか?」
「はいはい、そんな意味深な事言わないの!友梨の運が悪いよ!」
「いやだぁぁぁ〜〜〜!変わってよ!!無理だよ、死んじゃうよ、恵美は私を見捨てるの??ひどいっ!!!マリア様はこんな農民にちっぽけな希望も持たせてくれないの⁉︎」
「高ちゃん、どこの国から来たの?」
「ぎゃはははっ!!お、おいっ、スイ!ヤベェ腹イテェーー!し、死ぬ、笑い死ぬ……ぎゃははははは!」
みんなで公平に席を決めようと、ぐちゃぐちゃに混ぜて、せーので引いたチケット。
私は見事に一番端を引いた。
どうせ見なきゃいけなのなら、せめて真ん中が良かった。
私の願いも虚しく叶わない。