いたって普通の恋愛話
そこには、いつもと、変わらない調子でもの優しい笑顔を振りまく、河原が立っていた。
「よっ!」こんな修羅場によくそんな能天気な事が言えたもんだ。
少しばかり、呆れる。
まぁーそこが彼の良さでもある。
現に私は彼のその性格に何度も、助けられているし、今だって、助けられているのだ。
「とりあえず、行こうぜ!」
「ぇっ…ぅえ‼︎、ちょっと…⁉︎」
行きなり容赦なく私の腕を掴んで出口に向かう。
嘘! 木村君は? 木村君はどうするの?
私は、どんどん小さくなっていく、木村君の背中を見つめてた。
彼の背中はすごく、たくましいように、大きな背中をしていた。