いたって普通の恋愛話
「友梨大丈夫?ごめんね助けてあげられ
なくて。」
「暴力とか、受けてない?」
二人とも、よっぽど心配してくれてたみたいだ。
二人の目が薄っすら涙ぐんでいる。
「大丈夫だよ!
二人とも無事で良かった‼︎」
「三人とも怪我はないみたいだし、ひとまず安心だな!
…陸?雅秋は?」
「あぁ。あいつは…」
ピリリリリリッ
突然誰かのケータイが鳴った。
「あっ⁉︎俺だわ!」
河原のケータイだった。
「最近買ったんだ〜」と、前にウザいぐらい自慢された、まだ傷が入っていない、黒のiPhoneを、紺のカーディガンのポケットから、ガサゴソと、取り出す。
私達に悪いと思ったのだろう、iPhoneを持っていない方の手で、みんなに謝ると、電話の相手と、話をするために、何処かへ行ってしまった。
河原の後ろ姿は、さすがイケメンと、言うべきか。
すごくかっこよかった。
道行く人達が彼を見て、頬をピンク色に染める。