いたって普通の恋愛話
「すまねぇ!時間掛かっちまった!ハァ、シンドイ。」
いつの間にか、着ていた白いセーターを腕に持ち、カッターシャツだけになった、木村君が走って来た。
シャツを上から2個開けて襟元をパタパタさせている。
たまに見える鎖骨がセクシーだ。
「雅秋、あいつらどうだった?喧嘩は?喧嘩はしたのか⁉︎」
なぜか、目を輝かしながら聞く河原。
「…なんで楽しそうなんだよお前は。」
木村君が河原の頭を軽く叩く。
「大丈夫、少し喧嘩になったけど、警備員さんが来たら、4人とも逃げてったよ。 多分、周りの人が呼んだんだろ。」
良かった。とりあえず怪我はないみたいで一安心する。
でも…
「ごめんね?私のせいで、巻き込んじゃって…」
本当に申し訳ない気持ちで、いっぱいになる。