いたって普通の恋愛話
数学のお時間
「さぁ友梨、梅、昨日はちょっとした事件で、話せなかった映画の話を、今日こそ、決めるわよ!」
き、来た……。
あれから、私は木村君に、 家まで送ってもらった。
そして、夜が明けて、今日登校して来た直後、恵美からの「おはよう」も無しに、この話をされている。
正直勘弁して欲しい。
昨日の今日で、もう吹っ切れていると言うのだから、やはり、恵美の心は、鉄でできているのだろう。
「三人ともおは〜!昨日はよく眠れた?」
いつもはチャイムギリギリで登校して来るクセに、今日の河原は、ひと味違うのか、15分前には、着いていた。
「河原が早く登校とか…怖いな。嵐がくるのか…」
私は、窓の外の、晴天を見て言う。
「ムッ‼︎‼︎おいこら、高倉朝から、失礼極まりないな、お前は‼︎俺だってたまには余裕で来る日ぐらいあるわ!」
そう言いながら威張る河原。
しかしそこは威張る所ではない。
「陸おはよう!今、明後日の事を話してたの!」
「あぁー、そういえばまだ何も決めてなかったな!でも5人って人数的にアレじゃね?」
おっと!これはもしかしたら抜けるチャンスなのか?
今思ったら、恵美は河原と、梅ちゃんは沢田と、最近四人して、上手くいってるんだから、私が居なくても、ってゆうか、居ない方がいいんじゃないのか。
「だったら、私全然抜け「木村君は?」
「いいじゃん!丁度仲良くもなってきたんだから」
「雅秋なら、おれも、喜んでだわ!決定ー!」
みんな、私の話を無視して、話を進めていた。