いたって普通の恋愛話
「うぐぅー…」
今は、2時間目の数学の時間。
私にとっては拷問の時間だ。
なぜなら…
「わかんなぃ………」
そう、私は恵美よりは、頭はいいものの
、今までの数学テスト、全てが欠点。
今回こそは、と頑張って勉強しています。
「あともうちょっとで解けそうなのにな…」
「わかんねぇなら、教えようか?」
ふと、聞こえた声は、木村君のものだった。
ぇっ
「いっ、いいの⁉︎」
「別にいいぜ。で、どこ解んねぇの?」
ガタッ
木村君が、私の隣にイスを持ってきた。
そこに木村君が座る。
すぐそばに木村君の体温を感じる。
彼からほのかに柑橘系の香りがして、なんだかくすぐったい。
少し恥ずかしい。
「問3の問題なんだけど、途中から、式が解んなくなっちゃうの。」
「ここか、…高倉、途中まで、全部合ってんのに、多分、式の覚え間違いで、全部間違ってんぞ。」
「えっ⁉︎嘘!」
「ホントだよ。この式からだ。よく見て
みろ。」
木村君のプリントを見てみる。
「成る程!そうか、確かに間違ってる!ありがとう!」
「もう一回やってみ?」