純愛恋桜
「って、あんたなんでそんなに嬉しそうなのよ!」
「だってタイムトリップだよ?
時をかける少女だよ?」
無駄に眉間に皺を寄せる千明と
無駄に目をキラキラさせる零。
「零、言っとくけど
いくら此処がすごい和風の町並みだからと言って
江戸時代だったとしても・・・
あの長い長い江戸時代の幕末の方とは限らないんだからね?
それに、私達みたいな格好の奴
その場で切り捨てられちゃうかもしれないんだからね?
わかってる?」
「ぐぬぬ・・・」
現実主義の千秋に現実を突きつけられ
夢を壊されグウの音もでない零は拗ねてしまった。
千秋もちょっと言いすぎたかと反省・・・
そんなやり取りをしているうちに
二人は月明かりに照らされた
それはそれは、大きな桜の木にたどり着いた。