純愛恋桜
彼ら
ザッザッザッザ!!!
夜の闇の中
月明かりに照らされた数人の男たちが走り回っていた。
「おい!絶対に一匹も逃がすなよ!」
「「「 はいっ! 」」」
男たちは捕物をしているようだった・・・。
どんどんと桜木につかずくにつれ
人の叫び声と血の匂いが濃くなる。
「秋ちゃん・・・」
「零、静かに。」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
誰かが近くで斬られたような声と、血の匂いが
耳と鼻を犯す。
「これで全部ですかね・・・」
一人の青年が斬ったであろう物を見下しながら言う。
それに答えるように他の者達も
そこに転がっている物を見下す。
男達の捕物も終わりに見えたその時
勘の鋭い一人の男が零達の存在に気づく
「副長・・・
まだ二人、残っているようですが。」
男の言葉に”副長”と呼ばれた男も気づく
「・・・みたいだな。」